他のお悩みでご来店される方でも、お話をお聞きしていると「よく頭が痛くなります」、「片頭痛持ちです」などどお話される場合がよくあります。
日本の15歳以上の約4割の人が何らかの慢性頭痛に悩んでいるというデータもあるほどです(Sakai F, Igarashi H : Prevalence of migraine in Japan : a nationwide survey. Cephalalgia 1997;17:15-22.)。
慢性頭痛の代表的なものは、緊張性頭痛と片頭痛がありますが、緊張性頭痛は、頭が締め付けられ圧迫されるような痛みが特徴で、片頭痛は脈打つような痛みがあり、吐き気を伴うこともあるのが特徴です。
以前、ほぼ毎日どちらかの頭痛に悩まされ、頻繁に鎮痛薬を飲んでいるという方がいらっしゃいました。痛みに耐えるのは辛いですので、鎮痛薬を飲んでも構わないとは思いますが、あまりに頻度が多いと薬の効果が薄れ量が増えてしまうこともありますし、鎮痛薬の飲みすぎが頭痛の原因になってしまうこともあります。
中医学では、気血水が過不足なく、滞ることなく流れている状態を健康な状態ととらえています。ここで言う「気」とはエネルギーのようなもので、「血」は血液とほぼ同じイメージで栄養を含んでいます。また「水」は血液以外の体内の液体成分のことになります。「通じざれば則ち痛む」と言うように、気血水が何かの原因によって滞ることにより、痛みが発生すると考えられています。
凝りによって血流が悪くなって痛くなる肩こりなどもその一つです。首や肩の凝りの酷い方が頭痛を起こしやすいのは血流の悪い状態(瘀血)が原因と考えられます。ストレスなどによって気が滞る場合(気滞)や、低気圧とともに体内の水のめぐりが悪い状態(水滞)になり頭痛が起こることもあります。
また栄養不足が原因で起こる頭痛もあり、生理の前後に起こる頭痛(血虚頭痛)もその一つです。
このように頭痛には様々な原因があり、1つまたは複数の原因が関係して起こっています。
気血水を過不足なく、滞りなくスムーズに流していくためには、生活習慣を整えることが重要です。食事、睡眠、適度な運動は大切な要素になります。忙しい毎日でなかなか難しい部分もあるかと思いますが、できそうなところから少しずつ取り組んでみてください。
頭痛には危険なものが隠れている場合がありますので、今まで経験したことがないような激しい痛みを感じることがあったらすぐに病院に行くことをお勧めします。
頭痛の改善には、漢方も効果的です。頭痛にお悩みの方はどうぞお気軽にご相談ください。