生理痛はあるのが普通だと思っていませんか?
女性に生理に関する不調を尋ねた結果を見ると、20代の64.2%、30代の51.8%が生理痛を抱えているそうです。
※1〈※1出典:内閣府男女共同参画局「男女の健康意識に関する調査」(平成30年)より〉
この結果をみると、実に多くの女性が生理痛を抱えていることが分かります。一般的に生理は、約1ヶ月(個人差があります)に1度起こりますが、痛みがひどい方は鎮痛剤が効かず、仕事ができない状態になる方もいらっしゃいます。生理痛がない方や男性には理解されにくいかもしれませんが、決して大げさではないのです。
私自身、学生の頃より生理痛を抱えており、生理=痛みがあるのが当たり前という認識でした。学校や家庭で生理痛や対処法について聞いた記憶もなく、社会人になるまではひたすら痛みに耐えながら、授業や仕事は気合で乗り越え、休みの日にはずっとベッドでうなってるという状態でした。社会人になってから生理痛に効く鎮痛剤があることを知り、それからは毎回鎮痛剤を飲むようになりました。もともと胃腸が虚弱だったためか、鎮痛剤が胃にさわるようになってきましたが、生理痛に耐えるよりも胃の不調に耐える方が幾分かましだったため、それからも鎮痛剤を飲み続けてきました。
漢方に携わるようになり、試しに血の巡りをよくする漢方薬を生理の際に飲んでみることにしました。正直そんなに期待をしていなかったのですが、鎮痛剤を飲んでいないのに、痛みが緩和され、通常通りに生活できたのです。漢方でこんなに改善されるんだと感動したことを覚えています。
東洋医学では、生理痛の主な原因を瘀血(血行不良)ととらえます。瘀血の原因はさまざまですが、食の不摂生、冷え、またストレスなども大きな要因となります。そのため、生理痛の改善は、瘀血を招く要因を改善するとともに、血の巡りをスムーズに整えることが大切です。
私は、産まれた時から手首から先の血色が悪く紫がかっていたそうで、看護師さんから母が「おんぶ紐で手首を締めてしまっていませんか?」と疑われたほどだったそうです。元々血流が悪く瘀血体質でしたので、生理の際に痛みが生じてしまったのでしょう。血の巡りを良くする漢方薬で生理痛が改善されたのは、生理痛の原因である瘀血が改善されたためと考えられます。
鎮痛剤は確かによく効きますし、痛くてどうしようもない時には飲んでも構わないと思います。ただ、鎮痛剤というのは対処療法になり、根本的な原因にアプローチをしているわけではないので、ずっと飲み続ける、または量が増えていってしまうということになりかねません。
私は初回の相談時に生理痛の有無を確認していますが、生理痛はないとおっしゃる方もよくよく確認してみると生理痛がない訳ではなく鎮痛剤を飲めば痛みがなくなるという意味だった、ということもよくあります。
妊活をしている方に「痛み止めを飲めば平気なので、大丈夫です」と言われたりもしますが、大丈夫ではありません。生理痛があるということは、東洋医学的には骨盤内の血流が悪いということになります。その状況が、妊活に良い訳がありません。
まずはご自身の生理と向き合ってみましょう。
生理痛の陰には、病気が隠れている場合もありますので、気になる痛みがあれば、一度婦人科を受診することをお勧めします。その上で、冷たい飲食や薄着に気を付けたり、特に長時間座っていることが多い方などは、ストレッチや散歩などできるところから取り組んでみてはいかがでしょうか。
当店では、漢方のご相談の他、お灸などのセルフケアについてもお伝えしています。ご興味のある方はお気軽にご相談ください。